デジタルフルカラー複合機やデジタル複合機などのドキュメントシステムの販売・メンテナンスからシステム・ネットワークサービスまで、一貫した“ソリューション・サポートサービスプロバイダー”として事業展開しているシャープドキュメントシステム株式会社。同社では、2008年よりCE向けの新入社員研修にIC3(アイシースリー)を導入しています。 人材開発推進チームの河田幸一郎さんに、導入のきっかけや導入後の効果についてうかがいました。
新入社員研修への導入経緯を教えてください。
IC3の導入前は、新入社員にIT技術系の資格を取得させていたんですが、いきなり彼らが挑戦するには難しく、結果も惨憺たるもの。そこで、それらの資格を取得する前にワンクッション必要だろうと考え、新人にちょうどよいレベルの資格を調べていってインターネットで知ったのがIC3でした。導入を検討するなかでは、「カスタマエンジニア」(以下、CE※)となる彼らには、IC3の3科目のうち、キー アプリケーションズの科目取得は必要ないのでは」という意見も出ましたが、顧客サポートを行う現場にヒアリングしたところ、「新入社員がパソコンを使えなくて困る」という声もあり、それならばまずは一回やってみようということなり、2008年からIC3を研修に取り入れています。
理系出身者にIC3を取得させる理由は?
当社の新入社員はほぼ理系出身ですが、意外にもパソコンに馴染みのない人が多いです。話を聞いてみると、彼らは家にパソコンを持っておらず、ネットやメールは携帯電話で行っているそうです。以前の新入社員のなかには、パソコンの起動方法や基本的な操作すら知らない人がいたこともありました。
こうした状況を鑑みて、パソコン初心者の新入社員のために、まずはIC3の取得でCEになるための土台作りができれば良いと考えました。
受験者の感想や社内の反響は?
IC3取得者に聞いたところ、「パソコンの基本をほとんど知らなかったから、バランスよく基礎知識を得ることができて良かった」という意見が多数寄せられました。また、現場からも、「IC3取得のおかげで、現場での会話の理解度が明らかに高くなり助かっている」という実感のこもった声も挙がっています。
それと、IC3の合格後に届く紙の認定証が彼らのモチベーションアップにもつながっていて、やはり目に見える「証」があると取得後の達成感もひとしおらしく、「認定証が届きました!」といって喜ぶ姿を見ると私たちも嬉しいですね。
実際に研修にIC3を採用された感想は?
IC3はパソコンの操作方法と併せて、コンピュータやインターネットを使うときの基本を“知識”として体系的に自分のものにしていくことができます。こうして会得したスキルが仕事のベースに活かされていきますから、新入社員の仕事に対する自信にもつながっています。それと、この資格を学んで得る知識は、当社の人間にとって「空気」のように当たり前のもの。
我々と一緒に働いてもらうためにも、まずは新入社員に「空気」を与え、呼吸できるようになってもらわなければなりません。そうすれば、そこから次に進んでいけるようになりますから。
今後の人材育成の展望をお聞かせください。
今後の人材育成の目標としては、パソコンスキルを含めた「社員全体のレベルアップ」を図っていきたいと考えています。社員のパソコン習熟度をとってみても独学の者が多く、まだまだです。
これからも、IC3用いた新入社員研修は継続していきたいですし、その他の新人以外の社員にもTPOに合わせたMicrosoft Office製品のアプリケーションの使い方を習得してもらえるような機会づくりにも取り組んでいきたいと考えています。
※カスタマエンジニア(CE)
コンピュータ本体や、各種の周辺機器を含めたハードウェアを中心に、機器の設置・移設・撤去やケーブル等の敷設、保守点検や修理などを行う技術者。
※掲載内容は2011年2月取材時のものです。