営業部の様子
40年以上続くロングセラー商品『明星チャルメラ』など、即席麺の製造・販売および乾麺、冷凍麺、調理済み加工食品の販売を行う明星食品株式会社。同社では2010年10月、全社的に営業部署でマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS試験)を導入しました。
営業企画部 管理課長の松阪勝美さんに、導入の経緯や研修方法、その効果などについてうかがいました。
営業部署での導入経緯を教えてください。
現場から、「Excelの講習をしてほしい」という声が挙がったことが、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(以下、MOS試験)の導入のきっかけです。営業部では、独学でパソコンを使っている人が多く、お客様に提出するExcelでの資料づくりに思いのほか時間を要しており、最近では高度なExcelスキルが求められるケースも増えていました。そこで、会社にとって必要なスキルが身につくこと、資格の取得は個人のプラスにもなること、難しすぎないのでとっかかりやすかった、という利点からMOS試験を採用しました。なかでも受験料会社負担の対象外だった幹部クラスも、そのほとんどが受験希望に手を挙げたのには驚きました。自己負担でも、きちんとExcelを勉強したいと考える人が多かったことを実感しました。
受験前に開催した勉強会とは?
営業部全体の受験希望者は100名。そこで、受験する期日を決め、集中して学習する流れを組みました。そして、全国の営業所を回って、営業企画部の私ともう1名で講師を務める勉強会を開催しました。
勉強会では、まずみんなのパソコン習熟度を測るため、数問の模擬問題を独自に作成して実施。その結果を踏まえ、受験前の2カ月は全国各所で月に2回は勉強会を開催できるように巡回して、本社では週1回の勉強会を設定。MOS試験の対策教材の模擬問題を全員で一緒に解きました。勉強会を重ねるごとに、全員の習熟度が上がっていくのをリアルに感じることができて嬉しかったです。
実際に受験を実施してみていかがでしたか?
すでに84名が受験済みで、合格率は75%です。受験前に想定していた合格率を上回るこの結果には、喜びと同時に驚きも感じています。受験者は決してパソコンを使い慣れているとは言えない50代を含め、30~40代がメイン。これは国内のMOS試験の受験者年齢層と比較しても年代が高いようですが、そうした傾向から鑑みても75%という合格率は予想以上の成果でした。これは、みんなで集まって行った勉強会が効を奏したのではないでしょうか。お互いがライバルとなり、競い合う側面が出てきたのが試験に対するモチベーションアップにつながったと思います。さらに、“自分だけ不合格になりたくない”という気持ちも芽生えたようで、一人で勉強していたら、ここまで合格率は上がらなかったかもしれません。
習得したスキルの社内での活用状況は?
お客様に提出する企画提案書等の資料作成に手間取る人が減ったと耳にします。また、これまで部下にデータ集計や分析を任せていた管理職の人がExcelを操作する姿も見られるようになりました。私自身も、資格取得後は1つしか知らなかった方法に、いくつかの方法が選択肢として加わり、ずいぶんと作業時間を短縮できるようになりました。今後、こうしたExcelの知識がみんなのスタンダードとして浸透すれば、セールスの効率も上がると確信しています。
今後の人材育成について展望をお聞かせください。
弊社の山東(代表取締役社長)が、最近よく口にするのが、『蛻変(ぜいへん)』という言葉。これは、蝉などの卵が幼虫からさなぎになり、羽化して成虫になっていく様を言いますが、これまでの自分の殻を破り、まったく違った自分に生まれ変わる、という例えでもあります。我々も現状に甘んじることなく、常に新しい知識の吸収などを通して『蛻変』していくことが求められています。そうした点からも、資格は人材育成の面においても、目に見えるカタチで“変化”を感じられるのでとても良いと思います。社員が資格を取ることは、会社のためにもなりますが、勉強したことは自分個人に一生ついてくるもの。これからも、こうした自己啓発になることをどんどん応援していきたいと考えています。
※掲載内容は、2011年9月取材時のものです。