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資格試験 活用事例

菅公学生服株式会社

菅公学生服株式会社  MOS

入社後のスムーズな業務遂行のため、MOS を内定者研修に導入
社会人への意識の切り替え、スイッチングの効果も


取材にご協力いただいた古江 誠さんと斉藤 瑠衣伽さん

170年もの歴史をもつ菅公学生服株式会社は、学生服や体操服などの学生向け衣料の製造販売を行うスクールユニフォーム業界のリーディングカンパニーです。
同社では、業務に不可欠なExcelスキル習得のため2022年からマイクロソフト オフィス スペシャリスト(以下、MOS)を内定者研修に活用しています。MOSの導入経緯や活用後の効果について、総務戦略本部 人財開発グループの古江 誠さんと今年の新入社員で内定期間中にMOS受験を経験された斉藤 瑠衣伽さんにお聞きしました。

MOS導入のきっかけをお聞かせいただけますか?

当社では、新卒採用が配属される総合職すべての部門で、職種にかかわらず何らかのかたちでExcelを使います。MOS取り組みのきっかけは、配属先各部門からあがってきた新入社員のExcelスキルに対する課題です。「使える人と使えない人の差が大きい」「Excelを初めて扱う新入社員が多く、不安そうに業務にあたっている人も見受けられる」という意見が人財開発グループに寄せられました。また、新入社員との対話のなかにもPCスキルに関する不安の声がありましたので、新入社員が業務に困らない程度のExcelスキルを事前に習得して、安心して入社日を迎えてほしいと考え、MOS(Excel)の取得を内定者研修に取り入れました。

内定期間中のMOS取得をどのようにフォローしていますか?

入社前に開催する内定者セミナーでMOS(Excel)取得までの流れを説明。配布した対策教材と受験チケットを使って、「各自学習を進め、入社前までに合格するように」と案内しています。学生も卒論などで忙しいですし、学習進度も違いますので、それぞれのタイミングで受験するようにして、試験の申込みは各人に任せています。ただし、「受験日」と「合否結果」の2点は必ず会社に連絡をいれることをマスト事項としていて、連絡が来ていない場合にはこちらからリマインドを入れるなどフォローしています。

内定式後は、どうしても内定者との接点が少なくなってしまうのですが、MOS受験のリマインドをきっかけにコミュニケーションをとることができますし、受験へのモチベーションを保つためのフォローだけでなく、報連相の習慣づけや、内定者が入社準備をしていることを会社が知る機会としても役立っています。会社への報告を徹底することについては、社会人として身につけてほしい基本姿勢(報連相/スケジュール管理)を少しずつ養い、学生から社会人への意識の切り替えにつなげる狙いもあります。また、合格するまでチャレンジをさせることは「会社から受けた指示をしっかり守る」「最後までやりきる」ということを徹底したいという意図と、不合格で終わるより、合格できたということを本人の自信につなげて欲しいという想いからです。

~ 今年入社した斉藤さんのコメント ~
実際に、内定者として取り組んでみていかがでしたか?

私は人財開発グループと人事・総務グループに所属し、給与計算や勤怠確認などの人事総務の業務でExcelを使っています。学生時代、PowerPointやWordには触れていましたが、Excelはほぼノータッチでした。基本的な知識や操作はMOSの学習を通して初めて知ったことばかりで、入社前に取得したMOSのスキルが役立っています。わからない関数があっても、いまはネットで検索すれば出てきますが、「具体的な業務のどこで使用するのが最適なのか」というところまではわかりません。体系化された一連の知識を入社前に習得できる機会があったことはとてもよかったと思っています。

振り返ってみると、配属直後は自分がどのような業務を行うかはわかっていませんし、それに加えてPCスキルにも自信がなければ、相当大きな不安を抱えることになっていたと想像します。先輩方は「何でも質問してよい」と言ってくださいますが、忙しいなか時間を取っていただくので、新入社員としても「自分で解決できることは解決したい」と考えることが必要です。入社前にMOSの学習を通じてExcelをひと通り学んだことで、初めて依頼されたExcel作業でも、操作をイメージすることができ、自分で進めていこうという自信と心の余裕をもつことができました。

今年の内定者も決まり、人事担当者として迎える側になりました。後輩となる内定者の方には、内定期間中に、まずはExcelに慣れるところからステップアップして欲しいと伝えていきたいと思います。

入社前のMOS取得について、内定者の反応はいかがでしたか?

配属先が決まった今年の新入社員に「内定期間中のMOS取得」についてアンケートで聞きましたので、以下抜粋しますと、

  • ●Excelに苦手意識があり、入社までの短期間で合格できるか不安な気持ちでいっぱいだった。しかし、いま振り返るとパソコンやExcelに向き合う時間が増えることで操作に少しずつ慣れたため、社会人としての準備に最適だったと思う。
  • ●入社後は覚えることが多くMOSの勉強時間を自分で捻出することは難しかったと思うので、時間のある内定期間中に勉強できてよかった。
  • ●パソコン操作にまったく自信がなかったので、MOS受験を通して基礎からExcelを学べたことで入社前の不安が1つなくなった。
  • ●Excelシートの整理や関数を利用した資料作成などの急な依頼に対し、MOSを学んでいなければ「すみません、使い方がわかりません……」からはじまっていたと思う。MOS取得で基本的な操作はできるようになっていたので、指示に対して戸惑ったり焦ったりすることなく依頼を受けることができている。
  • ●条件付き書式やスパークラインの使い方を新たに学んだ。一般的な操作方法は知っている気でいたが、自分が知っていることはまだ一部で、より効率的な方法がほかにもあるのだろうなと思った。
  • ●業務上、Excelを使った資料の閲覧や作成が多いが、必要な操作を理解しているため無駄な操作が減り業務の効率化につながっていると感じている。

など、想像していた以上に、入社前のExcelスキル習得によって、パソコン業務に対する不安が解消された、Excel操作の自信につながったというコメントが多く見られ、導入してよかったと改めて思っています。

内定者研修にMOS試験を導入した効果を教えてください

新入社員研修のプログラムでも、ExcelやPowerPointを利用する場面が多くあり、これまでは手が止まってしまっている人がいて、フォローが必要な場面がありましたが、いまはそういうこともほとんどなく、スムーズに研修が進行できています。また、新入社員同士で関数を教えあう、学びあう様子が見られるなど、コミュニケーションのきっかけとなっていることも嬉しく思っています。
課題としていた各部門からの「Excelの基本的なことができない」という声は、MOSに取り組むようになってからは一度も聞いていません。むしろ、「関数を用いて効率的に資料作成ができている」「今後はピボットテーブル等を用いたデータ集計業務(アンケート集計)など任せてみたい」などのプラスの意見をいただくようになり、取り組みの効果を感じています。

Excelは業務上不可欠であり、「よりよく仕事をする」以前に「使えない」状態は業務停滞や生産性低下を招くボトルネックになっていたかもしれません。そこが改善されたのは、会社にとっても本人にとってもよいことであり、安心につながっています。MOSを通して、学生から社会人への切り替え、スイッチングとしても機能していますので、これからも内定者研修でのMOS活用を継続していきたいと考えています。

※掲載内容は、2024年11月取材時のものです。

【取材ご協力】

菅公学生服株式会社
所在地 =岡山県岡山市駅元町15-1 岡山リットシティビル5F(本社)

創 業=綿糸の卸業として1854年(安政元年)に創業。1929年(昭和4年)に法人組織に改め会社設立(2013年に、現在の名前に社名変更)

従業員数=3,031名(グループ全体/2024年7月末時点)

初代・尾崎邦蔵により170年前の1854年(安政元年)に岡山県倉敷市児島に創業。現在は岡山県岡山市北区に本社を置き、スクールユニフォーム業界の先駆者企業として、営業/提案/開発/生産//管理/PCL/教育ソリューションの7部門のもと学生服・体操服などの学生向け衣料の製造販売を行う。近年は、社団法人教育ソリューション研究協議会やカンコーマナボネクト株式会社を設立するなど、子どもたちの未来のためにさまざまな改革も実行。時代や社会環境が変わるなか、学生と学生生活を支えるすべての人々に寄り添い、一人ひとりが自分らしくありのままでいられる明るく豊かな社会づくりに貢献していくことを標榜している。

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取材ご協力者
総務戦略本部 人財開発グループ 教育・人事 教育部門 / 古江 誠さん
総務戦略本部 人財開発グループ&人事・総務グループ / 斉藤 瑠衣伽さん

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