総務・庶務などの受託業務を担うみずほオフィスマネジメント株式会社。
2011年の5月、同社の企画・人事部 システム総括グループでは、一人ひとりのスキルアップを組織貢献につなげるべくグループ全員でVBAエキスパートの取得に挑戦。資格取得をひとつのゴールに、チームが一丸となって取り組んだきっかけや習得したスキルの活用について同グループ長の北村省吾さんにうかがいました。
VBA エキスパートに取り組んだきっかけは?
2010年からはじまった『自分をみがこう』と題した全社的な取り組みがきっかけでした。これは “自分自身のスキルアップを通じて組織貢献を目指す”という運動で、当グループではパソコンスキルの向上という目標を掲げ、VBAエキスパートの資格取得に取り組むことにしたんです。当社のように、グループ各社からの受託業務を担う企業では、迅速に対応する“スピード”と“仕事の質の高さ”が求められます。そしてそこにはVBAスキルが不可欠になると考えての選択でした。
実際の業務でのVBAスキル活用に関して教えてください
VBAスキルを活用する業務のひとつに、グループ各社と連携したデータ処理業務があります。
委託元各社においてはERP※を導入している拠点も多い中、数万件、数十万件のデータをもとに検索・加工する業務が頻発することも。仮にERP上で必要なレポート等の実装をカスタマイズや開発で対応するとしたら、膨大なコストと時間が必要です。
当社では、ERPからCSV形式やテキスト形式でデータを出力し、それをExcelやAccessに取り込んで処理します。そのときに、ExcelやAccessの操作スキルに加えてVBAスキルがあれば、これまで数時間かかっていたデータ照合等の作業も、数十分で終えることが出来ます。
このように、スピードの向上や、手作業の積み重ねや人の目で確認することによる間違いを減らした堅確性と質の向上に、VBAスキルは貢献してくれます。
VBA エキスパートに取り組んで良かった点は?
VBAエキスパートに挑戦した社員の皆さん
「一緒に合格すること」を目指して、チームが一丸となって頑張れたのは何よりでした。
今回基礎科目に挑戦したメンバーからは、「以前はデータ処理で困ったことがあると、グループ内の詳しい人に任せていたが、VBAを勉強したことで苦手意識がなくなった。これまで手作業で行うのが当たり前だと思っていた作業もVBAで自動化できることを知り、業務のスピードに対する意識がさらに高まった」という声がありました。
また、すでにVBAを業務で使っていたメンバーにとっては、今回の受験は新しい知識と共に基礎をしっかり学ぶ機会になったようです。「今後の業務のなかでは、単に自動化するだけでなく、“かゆいところに手が届く”ような行き届いた仕組みづくりができるよう、VBAスキルをより効果的に活かしていきたい」と抱負を語ってくれました。
VBAを通してメンバー全員に共通知識の基盤ができ、日常会話のなかで、『ここはVBAで』『そこはマクロで』という言葉をよく耳にするようになりました。加えて、仕事を効率的に進めるという視点から、“この作業は自動化できるかも”とか“このプログラムは自分でできるかも・・・”という意識が、メンバー全員に芽生えたことは大きな収穫でしたね。
今後の人材育成の展望を教えてください
新しいチャレンジをしたいと思ったとき、そこに用いる道具を知らない、あるいは使い方がわからないからできない、ということではもったいない。ですから、今回のVBAのように、「道具」を知ってもらい、 “世界を広げる”きっかけを積極的につくっていきたいと思っています。
今回の取り組みの結果、システム総括グループの合格率が高かったことから、“VBAエキスパートは敷居の高い資格ではない”という認識がその他社員にも芽生えたようです。今後は、他部署にも同じような取り組みが波及していくのではないでしょうか。みずほオフィスマネジメントのIT化推進を担う私たちのチームから広がっていけば何よりだと思っています。
※ERP(Enterprise Resource Planning)
受注・販売管理、在庫管理、生産管理、会計など企業の基幹業務をサポートする情報システムパッケージ。統合基幹業務システム
※掲載内容は2011年5月時点のものです。