自由化・規制緩和の急速な進展により、価格競争、商品・サービス開発が激化している損害保険業界。このような情勢を受けて、あいおい損害保険株式会社では、経営基盤の強化と事業の効率化に取り組み、従来の保険の枠を超えたあらゆる生活上でのリスクに対応できる総合的なサービスの提供に向け、事業を展開しています。
そして、そのような状況に対応できる人材を育成するため、人事企画部ではさまざまな業務サポートを行っており、その一環として契約社員にMOUS取得の推奨を行い、自主的なスキルアップを促進しています。その推奨についてのお話を、契約社員の人事を担当している人事企画部課長 船木さん、島田さんに伺いました。
MOUS試験を推奨された経緯を教えてください。
私どもの会社では、損害保険関連の業務を主に行っていますが、一口に保険と申しましても傷害保険、自動車保険、住宅保険など、さまざまな種類の保険があり、その作業内容も多様になってきます。そしてそれらの作業を効率良く遂行していくためには、パソコンでの作業が必要不可欠になり、作業上よく使われるWord、Excelなどのアプリケーションのスキルを社員に身につけてもらうことの必要性を感じました。そのため、当初はMOUS試験とMOTの両方で推奨の準備を進めていましたが、最終的に、アプリケーションの利用能力が証明できる試験で、なおかつ世界で行われているグローバルな資格であるということから、MOUS試験での資格取得の推奨をすることにしました。
MOUSの取得推奨は、主に契約社員の方を対象としていらっしゃるということですが。
現在、約2,400人の契約社員が会社に在籍しています。その業務内容は、各種機械インプットや企画書等の作成支援、データ作成などさまざまで、当然求められるスキルも広範囲にわたります。そして、現場においては指示された仕事を迅速に対応してもらうことが重要になってきますので、スムーズに仕事を進めていく能力があるかということを知るためにも、一人ひとり、どれくらいのスキルを持っているのかを把握しなければなりません。しかし、自己申告ではなかなかスキルのレベルがわかりにくいので、各アプリケーションのスキルの指標となるMOUS取得の推奨をしています。
取得後には、仕事上での変化や声としてどのような内容があがっていますか。
私どもの推奨するMOUSの取得は、個人個人が持っているスキルをアップさせて、自主的に自己評価を高めていってもらうという目的もあり、そのような人材が増えていけば、それだけ仕事での効果につながると思います。それに、MOUSを取得される方は、自己のスキルアップに意欲的な方が多いようで、実際、私どもの会社では年々、取得者が増加しています。この数字に関しては、今後も増加していく傾向にあると思います。
ほかの社員の方にもMOUSの取得推奨は行っていますか。
現在、MOUS試験の推奨は契約社員のみの対象になっております。正社員に関しては、以前より社内で通信教育を開設しており、そのなかにMOUS試験対策講座も導入しています。この通信教育は、「あいおい自己啓発スクール」と呼ばれ、社員の自主性にまかせた自己スキルアップを目指して、毎年、上期・下期に1回ずつ開講されております。この「あいおい自己啓発スクール」での課題をクリアするとポイントが加算され、将来的にはそのポイントを人事評価につなげる予定です。
これからの展望について教えてください。
女性社員が増えてきたこともあり、職種や雇用形態に関わらず女性社員の業務能力のレベルアップに力を入れていきたいと考えております。パソコンのスキルはもとより、保険の知識、事務の知識など、バランスの取れた知識とスキルを持ち、総合的な分野で活躍することのできる女性を育成していきたいです。それには、勉強のしやすい環境を作ってあげることが、これからの課題になってくると思っています。
※「MOUS」は、2003年11月より「Microsoft Office Specialist」へと名称変更しています。 ※インタビュー内容は2003年9月時点のものです。