JRグループ内にあって、『みどりの窓口』などのシステム開発・運営業務をサポートする人材を採用・派遣している株式会社ジェイアールシステム・エンジニアリング。
情報システムのプロフェッショナル集団ともいえる同社では、2004年末以来、OA事務部門の担当社員全員のMicrosoft Office Specialist取得を目指して、さまざまな取り組みを進めています。常務取締役の阿戸勝利さん、総務部総務課長の清宮純一さん、同課の佐藤久美子さんにお話をうかがいました。
Microsoft Office Specialistを導入したきっかけを教えてください。
阿戸さん 私自身、以前は親会社であるJRシステムの総務部に出向していて、ジェイアールシステム・エンジニアリングの派遣社員を受け入れる立場にありました。派遣先では業務に関する知識はもちろん、パソコンの知識も不可欠。当時は、派遣社員をExcelの講習会などに参加させていましたが、期待したほど専門知識が身につかない。そこで、今の会社に戻ってから、“親企業に対する貢献度をさらに高める”という視点で、試験制度の導入を検討しはじめたわけです。
また、弊社のOA事務部門の社員は現在すべて女性なので、“女性社員が社会的ハンデを乗り越える一助として、パソコンのスキルを役立ててほしい”という思いもありました。社員が結婚などで一時的に職場を離れても、パソコンに関する体系的な知識があれば、再就職にも有利ですから。それと、現在のオフィスにおける標準的なソフトといえば、やはりExcelとWord。そこで、広く普及しているソフトの操作スキルを身につけることは実用的だと考えたんです。
OA部門の社員全員に受験させるという体制にしたのはなぜですか。
阿戸さん 資格を自己啓発の一種として奨励している間は、なかなか自主的に受験してもらえません。でも、本人にとって財産になるスキルですし、また、当社では“人を財産”と考えていて、その財産の価値を高めるためにも、半ば強制的に受験してもらうことにしました。
全員合格に向けて、会社側でもさまざまな支援をしているとのことですが。
清宮さん Microsoft Office Specialistの導入開始をアナウンスしたのが2004年の12月。その際、同時に会社としての受験支援体制についても発表しました。主に、次のような支援を行っています。
- 1. 該当者には会社側が選定した教材を無料配布
- 2. 試験に合格した際の受験料は会社が負担
- 3. ExcelとWordに加え、PowerPointやAccessの受験も支援
- 4. 学習専用のパソコン(業務上での使用は禁止/持ち帰り可能)を全該当者に貸し出し
- 5. 勤務時間中に適宜、勉強できるように派遣先の管理者に会社から別途依頼
このような体制のもと、2005年1月から2月にかけて学習用教材とパソコンの配布を開始。合格までの目標期間を1科目につき3カ月として、“2005年秋までに、2科目合格を目指すこと”という目標を掲げました。
その目標期間を設定するにあたって、事前調査を実施したそうですね。
清宮さん 実際に弊社の総務課社員2名に、Microsoft Office Specialistを受験してもらいました。使用する教材は社員に配布予定のもののみです。その結果、2名ともExcelは1回目、Wordは2回目で合格。実際の学習期間はそれぞれ1カ月ほどでした。この結果をもとに、我々としても “各3カ月での合格は無理な目標設定ではない”と、判断したんです。実際、2005年7月までにExcelで20人、Wordで18人がすでに合格しています。
佐藤さんはその事前調査で受験されたそうですが、実際に受験されてみていかがでしたか。
佐藤さん もともと、パソコンに関する資格は取りたいと思っていたんです。その意味でも、Microsoft Office Specialistの受験は本当に良い機会になりました。実際、2科目に合格してからはパソコンの操作の幅も広がりましたし、文書作成などの作業自体も楽になりました。これから受験される皆さんには、“あまり身構え過ぎず、自分に足りない知識を補うくらいの気軽な気持ちで受けるといいですよ”と、アドバイスしたいです。
※インタビュー内容は2005年8月時点のものです。