福井県商工会連合会での講習会の様子
福井県内の会員企業に対して、経営指導などを行っている福井県商工会連合会。会員企業から持ち込まれるさまざまな相談のなかには、パソコンの操作に関するものも多く、その対応の質を高めることを目的として、2005年よりMicrosoft Office Specialistを導入しました。経営支援部経営振興課主査の松原孝典さんに、その経緯や導入の効果などについてうかがいました。
Microsoft Office Specialistを導入したきっかけを教えてください。
松原さん パソコンの普及によって、経営支援を担当する我々のもとにも、パソコン関連の質問が多数持ち込まれるようになりました。寄せられる質問内容は、事業内容に応じて多種多様です。そこで、県内の各商工会でも、ホームページの作成教室やデジカメ教室など、各種のIT講習会を開催してきました。しかし、最近は特に顧客名簿や帳簿、台帳の作成、整理などに関する質問が多く、この部分についてより幅広い知識と高い専門性を持った職員の育成が必要になってきました。そこで、仕事の場面での定番ソフトとなっているExcelとWordを体系的に学べるMicrosoft Office Specialistに注目したのです。
最初の講習会から試験まではどのような流れで実施されましたか。
松原さん 商工会や連合会の内部で受講希望者を募ったところ、ちょうど福利厚生制度の一環として補助制度ができたこともあって、女性職員を中心に20代から40代までの職員20名の手があがりました。講習会は2005年の9月から12月にかけて開催し、その内容はWordとExcelのスペシャリストレベル相当としました。参加者には1日6時間の講義を2日ずつ受講してもらい、模擬試験は個別に実施。その結果、2006年1月の試験では受講者全員が一発合格し、Wordで17名、Excelで14名(いずれもバージョンはOffice 2003 Editions)の資格保有者が誕生しました。
講習会には松原さんも参加されたそうですが、講習会の様子はいかがでしたか。
松原さん 講習会自体を楽しんでいる人が多かったようですね。受講した職員は、日頃からパソコンの操作に親しんでおり、受講者20名のうち14名は、すでに『初級システムアドミニストレータ』の資格を持っていました。しかし、いざMicrosoft Office Specialistの講習を受けてみると、基本的な操作の3分の1くらいしか使いこなしていなかったことに気づかされたんです。そこで、参加者がお互いの知識を交換したり、模擬試験問題の情報を交換したり、協力しあって学習を進めました。それまであまり話したことのない職員同士が、講習会を通じてコミュニケーションを取れた点も、非常に良かったと思います。
今後の取り組みについて教えてください。
松原さん 現在、日本全国で市町村合併に伴い商工会の合併が進んでいます。福井県内に38ある商工会も、合併により、1年以内に13まで減少します。この合併後の商工会のビジョンとして、福井県商工会連合会では、「経営支援機能の強化」を第一に掲げています。パソコン関連の相談、指導業務強化がその重要な柱のひとつとなることは言うまでもありません。そこで、2006年の6月をめどに、今度はWordとExcelのエキスパートレベルとPowerPointの講習会実施を計画しています。会員企業の多様なニーズに応えるには、職員の側も、常にスキルを高めていく努力が不可欠です。また、この3科目の取得と並行して、MOT Essentialsも受験してもらい、パソコンの知識とプレゼンテーションスキルを併せ持った、MOT(Microsoft Official Trainer)取得者を徐々に増やしていきたいと考えています。
※MOT(Microsoft Official Trainer)は、WordやExcelをはじめとするMicrosoft Office各製品の機能についてトレーナーとして必要な知識を習得しているかを問う試験(MOT Essentials)と、実技試験(Microsoft Office SpecialistのMOTレベル)に合格した後、トレーナーの基礎知識やマナーを習得するセミナー(Train the Trainer for MOT)を修了することで得られる資格。 MOT取得者は一般ユーザー向けにインストラクションを行うための専門知識を持つ人材として、各方面で高く評価されています。
※インタビュー内容は、2006年2月時点のものです。