取材にご協力いただいたマンション事業本部
事業統括部 企画統括センター 人材開発チームの
舟橋 良恵さん
マンションの管理運営を中心に、リフォーム工事、ビルマネジメント、プロパティマネジメントなどを行う総合不動産管理会社の株式会社東急コミュニティー。同社では、マンション事業の「顧客に直接かかわる営業部門」に配属された新入社員を対象に、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(以下、MOS)を2022年に導入。
マンション事業本部に所属する社員教育研修を担当する人材開発チームの舟橋さんに、導入経緯や導入後の効果をお聞きしました。
MOSの導入の時期と、その対象者を教えてください
MOSは、マンション事業本部に配属された2022年入社の新入社員の研修メニューのひとつとして、今年初めて採用しました。マンション事業本部は、当社主体事業であるマンション管理事業の統括部門で、本部内には、「1. 事業統括部門」「2. CRM推進部門」「3.営業開発部門」「4.顧客に直接かかわる営業部門」の4つの部門があります。今回MOSの学習・取得を対象としたのは、「顧客に直接かかわる営業部門」に配属された38名です。
MOS導入のきっかけは?
当チーム(事業統括部門の人材開発チーム)は、顧客に直接かかわる営業担当に対する教育研修の企画・実施を担当しており、現場の社員と課題を共有することがあります。そのなかで、『新入社員のWordやExcelのスキルが低い』という意見があり、実はここ数年、同様の声が複数挙げられていました。人材開発チームとしても、4月の新入社員研修で「Excelを使った資料作成」の課題を行ったのですが、[文字の改行]や[写真の挿入]、[印刷範囲の設定]などに戸惑うケースが散見され、スキルレベルの現実を改めて実感しました。
そこで、「WordやExcelのスキルアップには、体系的な学習ができるMOSの試験を受けさせたらどうか?」という上層部からのアドバイスも踏まえ、さっそく御社に問い合わせて具体的な内容をお聞きし、社内で検討。いま直面している課題への解決方法として足るものと判断し、2022年入社の営業スタッフへのMOS導入を決めました。
営業スタッフは、どのような業務でWordやExcelを利用していますか?
弊社のお客様は、マンションに住む居住者や各所有者の代表として選任される理事会役員の方々です。営業スタッフは、理事会のスムーズな取り仕切りやマンションの管理・運営をサポートすることが業務のひとつとなっています。理事会の業務サポートには、居住者に配布する理事会議事録の作成、年に1回行うマンション総会準備、マンションに貼り出す掲示物の作成などがあります。議事録や総会資料は、内容はもとより、見やすさや体裁を含めた仕上がりの完成度も大切で、営業スタッフにはWordやExcelスキルが欠かせません。
新入社員は、6月頃から上長と担当するマンションの理事会に同席し、議事録作成も少しずつ任されていきます。私自身、4月の新入社員研修で新入社員がExcel作成の課題で戸惑う様子を目の当たりにしていたので、現場の実業務で役立てられるよう、4月にMOS対策テキストを配布し、8月末までにWordとExcelの2科目のMOS受験が完了するスケジュールを設定しました。
MOSの導入効果はいかがですか?
現在、MOS受験から1-2カ月ほど過ぎたところで、明確な効果はまだ掌握できていませんが、受験後のアンケートを見ると、
- ●「学生時代、WordもExcelもほぼ使っておらず、わからない操作はいちいち検索して調べていた。MOS取得後は、必要な機能の操作方法が感覚的につかめるようになり、パソコン作業が効率的になったと思う」
- ●「わからない機能を検索していた時間が格段に短縮できた。また、思うように操作できなくてイラつくこともなくなった。便利な機能をさらに使いこなして残業を減らしたい」
- ●「知識としてもっているだけで時短になることがわかった」
など、大半が「資料作成の効率化につながる」といった回答でした。新入社員が配属された上長のなかには、「配属直後、できる/できないの個人差があるが、MOSの学習をすることでスキルの平準化が期待できる」「WordやExcelのちょっとした知識がないことで業務が非効率になっていたので、新人以外にも受けさせたい」という話も出ていました。
研修担当としては、「それぞれが対策テキストで勉強し、進捗状況に応じて自身の好きなときにMOSに申込んで受験する」といった今回のスタイルが、個々の既存スキルや業務量に応じて受験がしやすく、「スキルの定着」につながっていると感じています。内定期間には、人事部門が用意したe-ラーニングを使って初歩的な内容の「パソコン研修」を実施しています。ベーシックなスキルはそこで押さえられますが、実践的なスキルは、やはり自ら学習して得た知識を実務で使っていくことで定着していきますし、何かつまずいたときにはMOSのテキストを見返すことでさらに理解が深まると考えています。
今年の新入社員も、今後任される業務や仕事が増えた際、MOSに取り組んだことでスキルアップした効果を一人ひとりが実感していくことを期待しています。
※掲載内容は、2022年11月取材時のものです