独立系のシステムインテグレーター企業として、高度な技術力と多くの実績を誇る日本ビジネスシステムズ株式会社。同社では、本格的なクラウド時代の到来に向けて、全社員のITスキル強化を推進。そうしたなか、2016年度より、非IT部門までを含むすべての新入社員を対象に、Microsoft®認定資格のマイクロソフト テクノロジー アソシエイト(以下、MTA)の取得を推奨しています。
同社の人材育成戦略におけるMTA導入の狙いや導入後の効果についてお話をうかがいました。
MTA取得を推奨された背景を教えてください
弊社では、急速に進むクラウド化に向け、全社員のスキルレベルの向上と標準化をキーワードに、教育体制の見直し・改革を積極的に進めています。そうした取り組みの一つとして、2016年度から、すべての新入社員へのMTA取得を推奨しています。
これは、入社までの半年間の内定研修期間中にMTA取得の勉強を推進し、入社後すべての新入社員にMTA取得に取り組んでもらうというものです。JBSの新入社員研修は、グループ企業(JBSテクノロジー株式会社)と合同の100人規模で行うのですが、学生時代のIT経験の差が激しく、スマホ・Wi-Fi世代の新入社員にとっては、入社後のIT基礎研修で初めてPCをはじめとした実機に触れることも多いです。そこで、ベースの知識を揃えるためにMTA取得の推進を進めていきました。(友部さん)
新入社員研修に「資格取得」を取り入れた狙いとは?
パートナー企業のビジネス成長のためのITソリューションをトータルに提案するJBSでは、ITスキル強化は入社後も恒常的に求められます。また、意外に思われるかもしれませんが、弊社の新卒採用の約60%が文系出身です。そこで、技術分野になじみのない人でも最低限のIT知識は入社前までには身につけて欲しいと考え、学習成果が客観的な結果として証明できる資格取得を推奨しました。(辻さん)
入社後の取得科目として推奨したのは、MTAの『ネットワークの基礎』です。科目選定にあたって検討ポイントになったのは、営業やカスタマーサポートなどの、いわゆる非IT部門に配属されたとしても役立つスキルは何かということでした。MTAの『ネットワークの基礎』は、基本的なTCP/IPからはじまって、必要な範囲がまんべんなく押さえてあり、レベル的にも新入社員にちょうど良い内容でした。
また、受験準備としては、研修を開催したり対策書籍や初心者向けの小冊子を配布するなどして、会社によるきめ細かなフォローアップを行っていきますので、2016年度はJBSグループ全体で受験した125人のうち123人が合格。また、2017年度は127人が受験する予定になっています。(友部さん)
MTAの導入効果はいかがですか
新入社員研修における学習内容の理解度が上がってきたことを実感しています。かつては、新入社員研修のカリキュラムについていけない人たちに補講を行っていましたが、2016年度は補講対象者が目に見えて少なくなり、比例して、出席者の反応が明らかに良くなってきています。また、研修後のアンケートでも、受講者の91%から『事前の資格取得が理解度向上につながった』という回答があり、また、研修中に知らないIT用語などが出てきた際にも、『受験で培った知識をもとに理解の糸口をつかんだ』という声もありました。
それと、新入社員研修で身につけたネットワークは必要な技術知識の1分野でしかありませんが、その学習を通じてお互いに頑張り励ましあった同期の仲間や、“同じ資格試験を受験する”といった共通体験が、入社後5~6年先に生きてくると思います。例えば、管理部門と開発エンジニアのような異なる部門の社員同士の相互理解に役立てていけるなど、組織全体として効果が発揮されていくことを期待しています。(友部さん)
※掲載内容は、2017年1月取材時のものです。