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合格率50%の資格試験、難易度はどれくらい?

統計検定ホームページによると、2023年の統計検定2級(CBT方式)の合格率は49.1%。試験範囲をご存知の方にとっては、意外な合格率の高さに驚かれる数字ではないでしょうか。

かくいう私も、当社に入社する前に、ネット上の合格体験記を読み込んで統計検定2級を受験したものの、1回目は涙の不合格。なんとか時間をこじあけて未就学児2人を夫に託し、夜雨のなか車を走らせて受験したのに、です。その時、私の頭に浮かんだのは「ここは幾何分布の考え方で踏ん張るところではないか。幾何分布の期待値は1÷成功確率なのだから、合格率50%であれば、1÷0.5で2回受ければ合格できるのではないか」という計算でした。実のところ、この計算は間違っているのですが、なんとか2回目の挑戦で合格することができました。

なぜこの計算が間違っているかというと、「試験に合格するまでの受験回数」は、私が考えた幾何分布に従わないからです。試験の合格・不合格は、サイコロの目のようにランダムに結果が出るわけではなく、受験者の知識や活用力により結果が変わります。また、直近の司法試験の合格率は45.3%、医師国家試験は92.4%であるように、合格率は受験者全体のレベルによっても変動します。ちなみに、5択問題1問を当てずっぽうで正解する確率は20%で、統計検定CBTの約35問を当てずっぽうで60点分以上正解して合格する確率は約0.000025%。つまり、理解していないのに運よく合格できる確率はほとんどありません。このように、合格率だけでは試験の難易度は判断できないものなのです。

私自身、統計検定の勉強をしてよかったと感じることは、何回失敗しても成功するまでチャレンジすればいいし、そのための工夫や努力を続けるのはとても楽しいことだと考えられるようになったことです。この前向きな変化により、社会人になってから学生に交じってインターンを経験し、はるか遠い存在だったデータサイエンティストの仕事を間近に見ることもできました。この目の覚めるような経験を一人でも多くの人に味わってほしいと思い、私はいまオデッセイコミュニケーションズで働いています。

企業や教育機関からの熱視線を集める統計学ですが、文系出身者や初学者にはハードルが高く、データ分析環境を整えるのは一筋縄にはいきません。私のように「微分積分ってなんだっけ…」から始める方には、アカデミックな「統計検定」の前に「ビジネス統計スペシャリスト」の学習をおすすめします。最も身近な分析ツールであるExcelを使って、平均値・中央値から多重共線性に至るまで、統計検定2級レベルまでの理解を深めることができます。わかりやすく解説している、当社YouTubeチャンネルの「ビジネス統計スペシャリスト」動画もぜひご参考になさってみてください。

(FH)