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明日誰かに話したくなる統計学(解答編)

皆さま、こんにちは。営業部スタッフのKです。
前回「明日誰かに話したくなる統計学(問題編)」を掲載しましたが、皆さまはどのような答えを思い浮かべたでしょうか?本日は、解答編として、3つの問題の答えをご紹介します。
なお、詳細な解説は数学知識が入ってくるため、今回の記事では解説しません。前回同様、軽い気持ちで読んでいただけたらと思います。

詳細な解説は、オデッセイコミュニケーションズのYouTubeチャンネルで紹介していく予定です。気になる方は下部のリンク先からぜひご覧ください。

■ 1/100の確率は100回試せば絶対当たる?
【問題】
1/100で当たるくじを100回引いて、少なくとも1回は当たりを引ける可能性はどのくらい(何%くらい)でしょう?(くじの確率は常に1/100)

【解答】
およそ63%

約6割なので、10人がこのくじを100回ずつ引いたら、そのうち4人は1回も当たりが引けないということになります。皆さまの直感は正しかったでしょうか?意外に低いと感じた方もいるのではないでしょうか。

ちなみに、宝くじの1等の1/2000万のように、くじの確率がさらに小さくなったとき、同じように(2000万回)くじを引いて、当たりを引くことができる可能性はほとんど変わらず、およそ63%です。確率の分母の回数だけ挑戦すれば当たりを引けるわけではないのです。

■身長200cm以上の人とIQ165以上の人はどちらが少ない?
【問題】
割合で見たときに、「身長200cm以上の人」と「IQ165以上の人」どちらの方が少ないでしょう?
※ 「身長200cm以上の人」の対象は30代の日本人男性

【解答】
「身長200cm以上の人」

これは、日本人全員を調べたわけではなく、理論にもとづいて計算すると「身長200cm以上の人」の割合が少ないであろうということになります。
IQ165で人口の0.0007%(およそ13万人に1人)ですから、身長200cm以上の男性はかなり少ないことが分かります。『体力・運動能力調査(2018年;スポーツ庁)』から調べてみると、30代男性の平均身長は172.2cm、標準偏差は5.6だそうです。
そこから、身長200cm以上の日本人男性の割合を計算してみると、約0.00003%となります。これは、だいたい290万人に1人の割合です。私の周りにはどちらもいませんが、お知り合いでどちらかがいらっしゃる場合は、かなりすごいことだと分かります。

■ 検査の精度が99.9%で「陽性」と診断されたら…
【問題】
10,000人に1人の割合で罹患する病気において、精度99.9%の検査で「陽性」と診断された人が本当に「陽性」である可能性は何%くらいでしょう?

【解答】
およそ9%

精度99.9%の検査で「陽性」となったのに、本当に「陽性」である可能性は9%と聞くと、不思議に思うかもしれません。でも計算上は、「陰性」なのに「陽性」と診断されている可能性が91%あります。この違和感の原因として、「自覚症状がない人もランダムに検査を受けている」ことが挙げられます。
実生活の中では、「病気かも?」という自覚症状がある人が検査を受けるため、病気にかかっている人を99.9%の精度で「陽性」と診断する検査はある程度信頼できます。しかし、自覚症状に関係なく検査を受けたとなると、「陰性」の人を「陽性」と診断してしまう可能性が0.1%あります。1,000人に1人です。わずかな確率に見えますが、この0.1%の影響で今回のような結果になります。
検査も全員が片っ端から受ければいいわけではないのです。(検査を受けること自体を否定するわけではありません!)また、1度の検査で診断せず、2次検査などを行うことも正確に診断するうえで大切です。

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いかがでしたでしょうか。理論と直感が異なるケースはよくあります。しかし、知りたいことを考えるときに、例えば身長200cm以上の人を探すのに、国民全体を調べるというわけにはいきません。
結果がどうなるか、理論から考えてみることができると判断の幅も広がります。数学や統計を理論から学ぶことは、少しハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、「統計検定3級の合格を目指す」といったように、目標を立てると学習を進めやすくなります。
まずはこういった小ネタからでも興味を持ってもらえたらと思います。

(K)

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